「自助・互助・共助・公助」からみた地域包括ケアシステム

地域包括ケアシステム

地域包括ケアシステムを構築するにあたり、「介護」「医療」「予防」「住まい」「生活支援・福祉サービス」という5つの構成要素の考え方について前回はお話しました。

→ 地域包括ケアシステムにおける「5つの構成要素」

今回は、地域包括ケアシステムをさらに理解するために、「自助・互助・共助・公助」という視点から、地域包括ケアシステムを見ていきたいと思います。

自助・互助・共助・公助とは

まず、自助・互助・共助・公助という4つの「助」の違いについてお伝えします。 4zyo

自助自分の力で住み慣れた地域で暮らすために、介護予防活動に取り組んだり、健康維持のために検診を受けたり、病気のおそれがある際には受診を行うといった、自発的に生活課題を解決する力。

互助家族、友人、クラブ活動仲間など、個人的な関係性を持つ人間同士が助け合い、それぞれが抱える生活課題を、お互いが解決し合う力。また、それらの活動を発展させると、地域住民やNPO(非営利団体)などによる、ボランテイア活動や、システム化された支援活動となる。

共助:制度化された、相互扶助。社会保険制度、医療や年金、介護保険など。

公助:自助・互助・共助でも支えることが出来ない問題に対して、最終的に対応する制度。 例えば、生活困窮に対する生活保護や、虐待問題に対する虐待防止法などが該当する。

自助・互助・共助・公助の基本

 自助・互助・共助・公助はどれも大切だと思いますが、どのような優先順位で構築を行い、基本となる考え方はどのようなものであるのか、地域包括ケアシステムを構築するにあたり理解しておく必要があります。

全ての中心は「自助」

 健康で自分らしく暮らしていきたいという気持ちと、実際に健康管理を行い、自立して生活を送ることができるように、自分自身を大切にして尊厳を持ちながら生活を行うという心構えと行動が最も大切なことであり、4つの「助」の中心は「自助」となります。

「自助」を支えるのは「互助」

 自助は、あくまで自分だけの力となるので、どうしても限界はきます。

また、自分ひとりだけで、年老いて身体が思うように動かなくなっていく高齢期に、自分ひとりで何とかするという考えでは、モチベーションも続かないようになります。

つまり、自分自身で行き詰った時のサポートが必要であり、時によっては、自身がサポートする側に回ることもでき、役割を持ち続けられる、人と人同士が支える「互助」が必要となります。

「互助」で難しい課題には「共助」

 「互助」で支え合う事は、支えてもらう側よりも、支える側の力のバランスが高いときは良いのですが、あまりにも支えてもらう側の負担が増えすぎると、支える側がギブアップしてしまい、「互助」の関係性が壊れてしまうこととなります。

その場合には、やはり、第三者の介入が必要となります。

そこで、必要時には自身の「権利」として利用ができる「共助」が登場し、「自助」を支え、「互助」の負担を減らし、バランスを整えます。

「自助・互助・共助」でもダメなら「公助」

 「自助・互助・共助」で支えあっていても、どうしても解決が出来ない課題には、最終的に「公助」が対応します。

貧困や家族関係の悪さや虐待など、第三者が介入しづらく、また、対応方法も難しい問題については、生命に危険を及ぼす恐れがあるため、公的な判断のもと支援を行う必要があります。

地域包括ケアシステムは自助・互助・共助・公助のコラボレーション

c89441da9048186f5147e5341a7390b7_s 地域包括ケアシステムの構築には、自助・互助・共助・公助が必要で、それぞれが深く関連しているという事がわかると思います。

また、自助・互助・共助・公助は、それぞれが関与し合うことで、最大限の効果を発揮します。

つまり、それぞれが独立するわけではなく、コラボレーションして働き合う関係性が必要なのです。

ぜひ、自助・互助・共助・公助という考え方と、それぞれが関係性を持つ事の必要性を理解して、地域包括ケアシステムの構築の一助にして頂ければと思います。

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