コーディネート機能の考え方

生活支援コーディネーター

地域包括ケアシステム構築のために、生活支援コーディネーター協議体を設置し、地域づくりを推進していくこととなりました。

そこで今回は、生活支援コーディネーターと協議体それぞれが、どのように関わり、地域づくりを行っていくのか、実際の「コーディネート機能」についてお伝えします。

コーディネーターと協議体によるコーディネート機能の考え方

 日常生活ニーズ調査や地域ケア会議(個別レベル)等により、地域の高齢者支援のニーズと地域資源の状況を把握した上で、地域における以下の取組を総合的に支援・推進。

とガイドラインでは位置づけられています。

日常生活ニーズ調査や地域ケア会議については、既に市町村や地域包括支援センターが取り組みを行っており、地域課題をある程度、行政側が把握しているという事を前提に、生活支援コーディネーターと協議体をコーディネートしていくという形となります。

bc5d4513d97a7d78df5f16a6230d7e15_s ここで、

「えっ?」

と違和感を感じる方がいるかもしれません。

 

「地域の住民たちみんなで、地域の問題点を話し合い、どのように解決をするのか話し合わなければ、意味がないんじゃないの?」と思われた方もいるかと思います。

ですが、地域がどのような課題を持っているのか、保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員など経験のある有資格者が公費を使って、調査を実施したり、または、実際に困っている方の支援を積み重ねて、把握しているものが地域の課題です。

その課題を把握した上で、再度、地域のネットワークづくりの際に、地域の方を交えて、自分たちの把握している地域課題に間違いはないのか、実際の声を聞いて、合意形成を行うというプロセスを踏むことが、一番スムーズな地域づくりになるという事で、地域の高齢者支援のニーズと地域資源の状況を把握した上で、コーディネートを行政が行っていく事となるのです。

実際のコーディネート手順

①地域のニーズと資源の状況の見える化、問題提起

地域の住民や事業所の方を呼び、説明会を行い、生活支援コーディネーターや協議体についての必要性や理解を促す段階です。

また、問題点と、何もしなければ今後の生活に支障が出てくるという危機意識を持っていただく事も時には必要となります。

②地縁団体等多様な主体への協力依頼などの働きかけ

地域のニーズや、今ある社会資源が明確になれば、地域のニーズを満たし、安心して過ごすための方法を探し、その方法を実現できる方へ協力を依頼する段階です。

③関係者のネットワーク化

地域のニーズと、ニーズを現実化できる方の協力が得られるようになると、それぞれが連携し合うようにネットワーク化を行います。

会議を重ねる事や、顔を合わせる機会を持つことで、相談や連絡が取りやすい関係づくりを行います。

④目指す地域の姿・方針の共有、意識の統一(規範的統合)

地域の方それぞれのモチベーションが上がってきたら、具体的に自分たちで、地域をどのようにしたいのか明確にして、意識を統一していきます。

あくまで、地域住民が自主的に望んで、目指す地域の姿を見出すことが、やらされ感を無くし、主体的に動く事につながります。

⑤生活支援の担い手の養成やサービスの開発

プロモート、プロデュース機能(担い手を組織化し活動を広げていく、担い手をサービスにつなげる機能となり、ここでは、既存に無いモノやサービスを開発するという段階です。

全てゼロから開発する訳ではなく、既存のサービスやネットワークを活用するという視点が大切です。

⑥ニーズとサービスのマッチング

①から⑤までは、基本的に地域に必要とされるニーズに対する受け皿づくりを行ってきました。

次は、実際にニーズを持っている人に対して、受け皿ができたことを伝え、利用してもらう事となります。

広報をして、周知してもらうことや、活動自体への理解していただく事が必要となります。

ガイドラインでは、上記の⑥つの流れでコーディネートを行う事が望ましいと書かれています。

3層のコーディネート機能

コーディネート機能は、概ね以下の3層で展開。

当面は第1層・第2層の機能を充実し、基盤整備を推進していくことが重要となっています。

【3層のコーディネート機能】

第1層 市町村区域で①~⑤を中心に行う機能

第2層 日常生活圏域(小中学校区域)で、第1層の機能の下、①~⑥を行う機能

第3層 個々の生活支援サービスの事業主体で、利用者と提供者をマッチングする機能 

 これによると、生活支援コーディネーターと協議体は一体で活動してコーディネート機能を発揮すること、そして、コーディネート機能は3層で展開されることが想定されています。

sc配置役割出典:生活支援コーディネーターに係る中央研修テキスト

 

3層のコーディネートというと、難しく聞こえますが、実際に図で見ると、理解ができやすいのではなかったでしょうか?

実際には、地域の方に地域づくりを意識してもらい、支え合う必要性を理解し、困っている人がいたら、支え合う事ができる地域を作るということです。

もし、コーディネート機能や第1層など難しい考えの為に、立ち止まってしまった場合には、基本に振り返ってみると良いかと思います。

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