独居高齢者の孤独死。
高齢者世帯の老々介護・認々介護。
テレビや新聞で、社会問題として取り上げられる事がしばしばある問題。
「自分の生きている世界とは、別の世界の問題」と考えがちな問題ですが、あなたの家の隣の住民が、そのような問題に直面している!という時代に現代は、もう既になっています。
独居・高齢者世帯の真実
※資料:厚生労働省「今後の高齢者人口の見通しについて」
グラフで見てみると、緩やかな推移をたどっているように見えますが、比較して考えてみましょう。
2010年 65歳以上の独居世帯:498万世帯
65歳以上の高齢者のみ世帯:540万世帯
2035年 65歳以上の独居世帯:762万世帯(+264万世帯)
65歳以上の高齢者のみ世帯:625万世帯(+85万世帯)
264万人+170万人(85万×2)=434万人
人数で考えてみあると、65歳以上の独居世帯は、264万世帯増加イコール、264万人増加し、高齢者のみ世帯が85万世帯掛ける夫婦2人イコール170万人が増加します。
434万人って、どれくらいの規模かわかりますか? 東京ドームが満杯になったら、55,000人です。
俗に言う、東京ドーム何個分が独居もしくは、高齢者のみ世帯となるのか換算してみると・・・
4,340,000 ÷ 55,000 = 78.9090909・・・
四捨五入すると、東京ドーム約80個分の人口が独居もしくは、高齢者のみ世帯となります。
また、あくまで増加する人数のみの換算なので、2010年に元々いる、独居・高齢者のみ世帯の数を加えてみましょう。
2010年 65歳以上の独居世帯:498万世帯
= 498万人 65歳以上の高齢者のみ世帯:540万世帯 × 夫婦2人
= 1,080万人
独居・高齢者のみ世帯の合計:1,578万人
2010年の独居・高齢者のみ世帯の合計1,578万人と2030年までの増えた人数434万人を加えると、2,012万人となります。
東京ドーム換算をすると、 20,120,000 ÷ 55,000 = 365.818182
東京ドーム約366個分を満員にした数の高齢者が独居・高齢者世帯のみとなります。
視点を変えて、都道府県単位で例えてみましょう。
都道府県 | 2010年人口 |
東京都 | 13,159,388人 |
神奈川県 | 9,048,331人 |
大阪府 | 8,865,245人 |
愛知県 | 7,410,719人 |
埼玉県 | 7,194,556人 |
千葉県 | 6,216,289人 |
※資料元:2010年国勢調査
東京都の2010年の人口、13,159,388人が2035年に全て独居・高齢者になったとしてもまだ、6,360,612人が余ってしまいます。人口600万人規模は千葉県都なりますので、 結論をお伝えすると・・・
2010年の東京都の人口と千葉県の人口すべてが、独居・高齢者のみ世帯の高齢者となるという予測になります。
独居・高齢者のみ世帯がそんなに悪いのか?
今回の「独居・高齢者世帯の増加」を見ると、高齢者のみ世帯が増える将来に不安を感じるかと思います。
ですが、悪い点ばかりではなく、このような事実を知ることで、年をおいても健康でいる期間を伸ばそうという気持ちを持っていただいて、介護予防に関する取り組みを、若いうちから行う方が増えるかと思います。
例え、高齢者となったとしても、「いつまでも元気」であるなら、超高齢社会の支え手として活躍をすることができます。
その支えが、世界でも前代未聞の超高齢社会という社会問題を解決する一躍を担うことができると思います。
また、その支えがなければ、我々の子供や孫、子孫たちの未来につながります。 私たちが健康である期間、つまり、健康寿命を伸ばし、日本を支えるという姿勢が、今後、私たちがいなくなった後の日本を作り上げていくものだと思います。
世界規模で、先進国となった国は少子高齢化の波が押し寄せています。 私たち日本人が、超高齢社会を世界で初めて乗り切るという経験が、世界規模で人類を救う事に繋がるという事は、過言ではないと思います。
世界を救うために、独居・高齢者のみ世帯であったとしても「現役」であり続ける努力をお互いできればと思います。
また、病は、自ら進んでかかるものではありません。
もしも、かかってしまったとしても、身近に支えあえる仕組み、「地域包括ケアシステム」を構築し、支え合う社会づくりを目指し、少しずつでも、一緒に明るい未来を作っていきましょう!