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地域ケア会議の5つの機能とは?
地域ケア会議は、地域包括ケアシステムの構築を推進する為に開催される会議ですが、実は5つの機能を持っています。
①個別課題解決機能 ②地域包括支援ネットワーク形成機能 ③地域課題発見機能 ④地域づくり・資源開発機能 ⑤政策形成機能 |
これら5つの機能が相互に関係し、循環することで、各機能が相互補完できるように、地域ケア会議や、その他の会議を効率よく組み合わせる事が市町村に求められています。
次からは、それぞれの機能についてお伝えします。
①個別課題解決機能
・個別ケースについて他機関・多職種が多角的視点から検討を行い、課題解決を行う。
・課題解決支援のプロセスを通じ、地域包括支援センターやケアマネジャーの課題解決力が向上し、自立支援ケアマネジメント等の支援の質が高まる。
という、2つの意味があります。
まとめると、個別ケースの具体的な解決を図る事と、関係者がスキルアップすることで、地域ケア会議に挙げないケースについても、個々で解決が図れるようになるようになれるようになります。
②地域包括支援ネットワーク構築機能
個別ケースの検討を、お互いの顔を見ながら行う事で、連携が強固かつ実践的なものになり、役割が明確になります。
その結果、個別課題解決機能が向上します。
また、地域ケア会議の参加者が不足している社会資源が明らかになる場合には、地域課題発見機能につながっていきます。
③地域課題発見機能
地域課題発見機能は、個別ケースを積み重ねていくと見えてくる、同じようなニーズを抱えた要援護者や予備軍を見出し、対処策ではなく、根本にある地域課題を明らかにする機能です。
発見された地域課題に対して、公的サービスやインフォーマルサービス等が必要かを検討することで、地域づくり・資源開発機能や政策形成機能にもつながります。
④地域づくり・資源開発機能
地域づくり・資源開発機能は、インフォーマルサービスや地域の見守りネットワークなど、必要な地域資源を地域で開発していく機能です。
地域の実態や特性に応じて、地域課題が異なる為に、それらに応じた解決策が必要となります。
地域ケア会議を通じて、参加者に地域課題を理解してもらい、地域づくり・資源開発の必要性を伝え、解決策を検討することで、参加者それぞれの活動内容・役割・得意分野などを活かした取り組みが展開される事に繋がります。
⑤政策形成機能
狭義:市町村による地域に必要な施策や事業の立案・実施につなげる
広義:都道府県や国への政策の提言まで含む
具体的には、地域課題発見機能で明らかになった「地域課題」の解決を行うにあたり、政策が必要な事柄について政策を立案し形成していく事となります。
政策形成機能を働かせる事で、個別課題解決機能は高まり、ネットワーク構築機能や、地域づくり・資源開発機能は充分に力を発揮できるようになります。
また、ある政策や事業を行えば、全ての地域課題が解決するわけではありません。
政策形成機能を行った上でも、残される課題については、再度①~④の機能を循環し、更なる地域課題の解決に向けて、地域ケア会議を開催する事が必要となります。