今回は、新しい認知症観の基礎講座の第2回目です。
今回は「要点と本質」について理解を深め、
自分の中にしっかり落とし込めるよう、
ワークも取り入れてお話ししていきます。
あなた自身はもちろん、
ぜひ職場の仲間とも、このワークを共有してもらえたらと思います。
動画解説
前回の振り返り
前回お伝えした、新しい認知症観の大切な考え方は、
認知症になってからも、
一人ひとりが個人として
できること、やりたいことがあり、
住み慣れた地域で仲間とつながりながら、
希望を持って自分らしく暮らし続けることができる、
という考え方です。
これを分解すると、
・できることがある
・やりたいことがある
・地域で仲間とつながる
・希望を持って生きる
この4つが、新しい認知症観の柱になります。
今回は、この本質をさらに深掘りして、
頭だけでなく、心の中に落とし込む時間にしていきます。
4つの本質
「できること」は把握できている
「できること」については、
ADLやIADLなどを通して、
私たちはすでにアセスメントで把握できています。
身体的なこと、生活動作、社会的な活動。
数値や現実的な形として、
できることはすでに見えている状態だと思います。
「やりたいこと」が見えにくい理由
一方で、「やりたいこと」はどうでしょうか。
認知症の方に聞くと、
「今のままでいい」
「変わらなければいい」
そう答えられることが多いと思います。
正直なところ、
「やりたいこと」がそこから先に出てこない。
ここが一番のネックだと私は感じています。
地域と仲間とのつながり
次に、地域や仲間とのつながりです。
施設や事業所の中のつながりはあっても、
それ以外の多様な人たちとのつながりはどうか。
事業所ごとに差はありますが、
無理のない負担で、機会があれば、
少しずつ広げていけそうだと感じる部分でもあります。
「希望を持って生きる」ということ
最後に、「希望を持って生きること」。
これは、
・できることが見える
・やりたいことが見えてくる
・それを支える地域や仲間がいる
この3つが整ったとき、
自然と心の中に生まれてくるものだと私は思います。
4つを整理して考える
整理すると、
・できること
→ アセスメントで把握できている
・やりたいこと
→ さらに深掘りが必要
・地域と仲間
→ 機会があれば広げられる
・希望
→ 3つが重なったところで生まれる
ここが交わったところに、
新しい認知症観の実践があり、
本人の幸せにつながっていきます。
同時に、
事業所としても「すべてを抱え込まなくていい」
地域で支え合えるという安心感が生まれます。
私たち専門職が力を入れるべきところ
この4つの中で、
私たち専門職が一番力を入れるべきところはどこか。
それは、
「やりたいこと」と
「希望」に関わる部分だと私は思っています。
私たちは、
本人と関わる時間が長く、
ゆっくり話を聞くことができる立場にいます。
だからこそ、
一番のネックである
「やりたいことの見つけ方」が重要になります。
支える力は、自分を支える力から
やりたいことや希望を支える力は、
自分自身がそれを持っていないと、
相手に渡すことができません。
自分の喉が乾いているのに、
他人に心から水を注ぐことはできない。
自分の心が満たされていないのに、
相手に「希望がありますよ」と
本気で伝えることは難しい。
自分の心が冷え切っていると、
相手にぬくもりは伝わりません。
利用者から教えられること
私自身、
利用者の方から心のぬくもりや勇気を
もらった経験があります。
体が動かなくなっても、
認知症になっても、
人に希望を与えられる存在になれる。
だからこそ、
支援者として新しい認知症観を実践するには、
まず自分自身が
やりたいことや希望を見つける経験が必要だと感じています。
形だけのケアになってしまう危険
ここが抜けると、
形だけのケアになってしまいます。
「やりたいことは何ですか?」
「じゃあ歩けるようになるのはどうですか?」
心が伴わないまま計画を立てると、
支援者自身の心にも、
達成感や喜びが残りません。
幸福について考える
やりたいことや希望のヒントは、
「幸福」にあると私は思っています。
ただ、日本では
「幸福」という言葉に
抵抗感を持つ人が多いと感じています。
でも、
誰もが不幸になりたいわけではありません。
日本国憲法には、
幸福追求権が明記されています。
私たちは、
幸せを追求していい存在です。
幸福とは何か
お金があっても不幸な人はいます。
健康でも不幸な人はいます。
成功していても不幸な人もいます。
辞書を引くと、
幸福とは
「ご縁や巡り合いによって心が満たされること」
と書かれています。
形ではなく、
心が満たされる感覚。
そこに本質があります。
事例から見えた本質
ある脳梗塞後の方で、
「魚釣りがしたい」と言われた利用者がいました。
でも、その本質は
魚釣りそのものではなく、
「元気になった自分の姿を家族に見せたい」
「認めてもらいたい」という思いでした。
家族の言葉が変わり、
関わりが変わったことで、
驚くほどの回復を見せたケースもあります。
形だけを見ると、
本質を見失ってしまいます。
ワーク①幸せ・心を考える(自分自身の心のケアマネジメント)
ここからワークです。
今、あなたにとって
「幸せだな」と思うことは何ですか。
思い浮かぶものを、自由に書いてみてください。
思い浮かばない場合は、
・力を発揮できた瞬間
・夢中になれた時間
・心があたたかくなった人との関係
を考えてみてください。
一度、動画を止めて書き出してみてください。
幸福度を数値化する
次に、その幸せについて
10段階で幸福度をつけてみてください。
直感で構いません。
そして、
その幸せの「種」はどこにあるのかを考えてみてください。
・幸せの種を広げる
自分が何に心が満たされるのか。
それが分かれば、
その機会を増やすことができます。
これは、
利用者の方の幸せを見つけるアンテナを
立てることにもつながります。
まとめ
今回は、新しい認知症観の
要点と本質をお伝えしました。
できることは把握できている。
やりたいことは見つけられる。
地域と仲間とのつながりは次回お伝えする。
それらが整ったとき、
希望を持って生きることにつながります。
ぜひ、
あなた自身の心のワークにも
チャレンジしてみてください。
次回の講座も、
楽しみにしていてください。







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