ケアプランの目標と聞いて、すぐに思い浮かぶものはありますか。
利用者さんと一緒に話していて、
「この人の人生にちゃんと触れた」
「この目標には魂が乗っている」
そう感じた瞬間、思い出せますか。
立派な正解を出せたかどうか、という話ではありません。
私が問いかけたいのは、
自分自身が何かを超えた感覚
いわゆるブレイクスルーを感じたことがあるか、ということです。
正直に言うと、
多くの人がその感覚を味わったことがないまま、
ケアプランを作り続けているように感じています。
動画解説
よくあるケアプランの目標に、違和感はありませんか?
たとえば、こんな目標です。
自宅近くのコンビニまで、杖を使って一人で買い物に行けるようになる。
制度的には正しい。
書類としても突っ込まれにくい。
間違いではありません。
でも、心のどこかに、
なんとなくザラっとした違和感はありませんか。
距離が50mか100mか。
杖か歩行器か。
言葉を入れ替えただけで、
別の人のケアプランにそのまま使えてしまう。
その人でなくても成立する目標。
個別性があると言われても、
本当にその人の人生を表しているのか、
そう自分に問いかけたことはありませんか。
ケアプランは「できること確認表」ではない
ケアプランの目標は、
できるか・できないかをチェックするためのものではありません。
その人が、
どう生きたいのか
どんな自分でありたいのか
それを守るための言葉です。
だからこそ、
本人の心が乗らない目標では、
どれだけ整っていても、前に進む力にはなりません。
私が20年前に体験した、最初のブレイクスルー
今から約20年前。
私は、ある利用者さんと出会いました。
その方は、誇りをとても大切にしている人でした。
見栄やプライドの話ではありません。
人として、どう生きるか。
自分はどんな人間なのか。
年齢や病気の前に、そこをしっかり持っている方でした。
話をしていく中で、
困りごとだけでなく、
これまで何をしてきたか
家族とどう向き合ってきたか
その人生が、強く伝わってきました。
そのとき、
私とその方の間で、何かが重なった感覚がありました。
私が立てたケアプランの目標
私が立てた目標は、これです。
車を運転し、魚釣りができるようになり、
家族に安心を与えられる、自分を取り戻す。
正直、リスクはあります。
脳血管障害後で、杖歩行。
5m歩くのも大変な状態でした。
「本当に大丈夫なのか」
「失敗したらどうするのか」
そう言われるのは当然です。
この目標の本当の意味
これは、
車を運転したい
魚釣りがしたい
という話ではありません。
この方が一番つらかったのは、
家族に心配される側になったことでした。
これまで家族を支えてきた。
守ってきた。
それなのに、今は
自分の行動一つひとつを、
不安そうな顔で見られている。
「大丈夫だよ」
「まだやれるよ」
そういう自分でいたかった。
私は、その思いを受け取りました。
だから、
家族に安心を与えられる自分
そこを目標の中心に置いたのです。
ケアプランは「願いの翻訳作業」
ケアプランは、
制度に当てはめる作業ではありません。
本人の中にある、
言葉になりきらない願いを
制度の言葉に翻訳する作業です。
削ることでも
当てはめることでもない。
その人の輪郭が残るように、
丁寧に言葉にする。
そして、その目標を
チームで一緒に叶えていく。
それが、ケアマネジメントの本質だと、私は思っています。
失敗してもいい。夢を描いたことは失敗にしない
もし途中でうまくいかなかったら。
もし身体的なゴールが違ったら。
そのとき、私たち支援者がいます。
絶望したときに寄り添うために。
一緒に新しい道を探すために。
ケアプランは、変更していい。
でも、
一緒に夢を描いたこと自体は、
失敗にしなくていい。
心が伴ったケアマネジメントが、すべてを変える
心が伴えば、
結果としてうまくいくことが多い。
利用者も
支援者も
関係者も
みんなが少しずつ楽になる。
誰のためのケアプランなのか。
その答えを、
もう一度、自分に問いかけてみてください。
最後に
もしあなたが、
今のケアマネジメントに
どこか息苦しさを感じているなら。
それは、あなたの感覚が鈍っているのではなく、
むしろ、とても健全な証拠です。
私が語っているのは、
特別な才能の話ではありません。
向き合い方の話です。
この文章が、
あなた自身のケアマネジメントを
少し見直すきっかけになれば、
それだけで十分、意味があります。
そして、もし
「どうやって心の伴った目標を立てればいいのか」
「再現できる形で学びたい」
そう感じた方のために、成冨さんは
メンバーシップ動画を用意しています。
そこでは、
心のケアマネジメントを形にするための
魂の三層構造テンプレートを使いながら、
目標設定をどう組み立てるのか、
実務でどう落とし込むのかを、
具体的に解説しています。
無料の動画のように
聞いて終わり、流れていく内容ではありません。
明日からの支援に、
そのまま使える形で伝えたい。
そんな思いで作られた内容です。
本気でケアマネジメントと向き合いたい方は、
メンバーシップのほうも、そっと覗いてみてください。
きっと、今まで言葉にできなかった違和感が、
静かに整理されていくはずです。
また、動画の中でお会いできたら嬉しいですね。

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