重層的支援体制整備事業を行う中で、「重層的支援会議」と「支援会議」の違いがわからずに、きちんと説明を行うことが難しいという悩みを解決できるよう、わかりやすく解説を行います。
重層的支援会議と支援会議の違い
厚生労働省の資料には、以下のように記されています。
出典:厚生労働省「令和2年度 地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議 重層的支援体制整備事業における具体的な支援フローについて)」より一部改変
要点は、支援会議は対象者が潜在的な相談者であり、重層的支援会議は、プラン作成を行っている担当者がいる本人への支援であるという視点です。
わかりやすくいうと、
支援会議「地域で困りごとを抱えているけど、相談ケースまでつながっていない方への情報共有を行い、支援方針を考えてみませんか?緊急性があれば対応方法も考えましょう」
重層的支援会議「以前の支援会議で、話し合った方がケースに繋がってプランを作成しました。適切かどうか話し合いませんか?足りない社会資源があったら、実現できる方法を話し合いましょう」
というイメージをして頂ければと思います。
アウトリーチ等を通じた継続的支援事業のフローを確認
出典:厚生労働省「令和2年度 地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議 重層的支援体制整備事業における具体的な支援フローについて)」より一部改変
アウトリーチ等を通じた継続的支援事業のフローでは、
・本人同意までの段階が「支援会議」
・本人の同意を得た後の段階が「重層的支援会議」
であることがわかります。
その中で「支援会議」はアウトリーチで、本人との関係性やつながり作りに向けた支援を行うという視点を持つという事です。
これまでの会議では、すぐに解決策に向けた話し合いを行うという事がほとんどでしたが、まだ支援に繋がっていない本人との関係性を作るという視点で、継続的に働きかけるという部分が、これまでの会議とは違った部分です。
また、重層的支援会議では、単にプランのチェックを行うというだけではなく、多機関協働事業など、他の事業へ繋ぎ、他の事業でプランを作成し、実現を図るという事が、これまでの会議と大きく違う点であるといえます。
相談フローはあくまでたたき台
上記に書かれているように「重層的支援体制整備事業の相談支援プロセスは以下の通りであるが、必ずしも当該流れに則るものではなく、相談者本人の状況に応じて適切に対応する事が重要である」と記されています。
なので、相談フォロー通りに体制を無理に当てはめるようなことは行わないようにしましょう。
相談フローはたたき台と考える。
出来る所からはじめて、あなたの地域で実現できる相談フローにカスタマイズする事が現実的であるといえます。
重層的支援会議と支援会議の違いは何となく分かったものの、残る課題
個別のケースを、同意を得る前からアウトリーチで「支援会議」で検討し、本人の同意を得た後「重層的支援会議」で支援の適切性等を協議する事がわかりました。
ですが、重層的支援会議は、多機関協働事業、参加支援事業と一体となって実施するものです。
そこで、以下のフローが示されています。
出典:厚生労働省「令和2年度 地域共生社会の実現に向けた市町村における包括的な支援体制の整備に関する全国担当者会議 重層的支援体制整備事業における具体的な支援フローについて)」
多くの方が、上記のフロー図を見て、頭がこんがらがってしまったのではないでしょうか?
・「重層的支援会議」はあっても「支援会議」が記載されていない!
・矢印通りに進んでいても、事業の整合性が取れないですよね。
・各事業で出てくるプランは、すべて同じプランなの?それぞれ別のプランがあるの?
など、疑問が多く出てしまい、脳内がパニック状態となり、考える事が難しくなってきます。
ですが、安心して下さい。
重層的支援体制整備事業の支援フローを理解できるよう、「重層的支援会議攻略講座」を現在制作中です。
ぜひ、次回の更新を期待してお待ちください。
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