通所・訪問介護一体化複合サービス創設の話が進んでいます。
創設のメリットとして想定されている事は・・・
- 通所サービスが訪問介護サービスも出来るようになる
- 顔なじみの通所スタッフが、在宅サービスをしてくれるので安心
- デイサービススタッフの時間を有効活用できる
- ヘルパー人材不足も少しは解消できるのでは?
元デイサービス管理者である私の未来予測と、一体型複合サービスで、できる現実的な事についてお話をしたいと思います。
根拠資料など
出典:令和4年11月14日厚生労働省 老健局 社会保障審議会 介護保険部会(第101回)地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について
上記の内容では、提案段階であると書かれていますが、概ねの賛同は得られたとの事で、ほぼ方針は決定しているようです。
出典:令和4年11月14日厚生労働省 老健局 社会保障審議会 介護保険部会(第101回)地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について
上記の内容の中で「デイサービスでは、朝の出迎え後、昼食後、利用者の帰宅後の時間に、一部職員が待機している場合もあり、その中で職員を訪問に回すなどして有効活用を図りたいが、人員配置基準もあって難しい」と記載されています。
この記載内容をわかりやすくいうと「デイサービスのスタッフは時間を持て余している人もいて、その人たちを訪問介護に回したい」という事ではないでしょうか?
デイサービス元管理者から現場視点で考えた意見
・朝の出迎え前の準備の為、時間外出勤しています
・お出迎えの後は、水分補給、バイタルチェック、トイレ誘導、入浴準備、レク準備・実施、機能訓練を行っています
・昼食後は、環境整備、午睡声掛け、トイレ誘導、アクティビティ、入浴介助、帰宅準備など行っています
・利用者帰宅後の時間は、待機者は支援経過、活動記録、清掃活動、イベント準備など行っています
よほどヒマで、口を開けてポカーンとしていると思われているのでしょうか?
(ちゃんとしていないデイはそうかもしれませんが)
通所・訪問介護一体化複合型サービス創設後の未来予測
⑴どの通所介護も現状のサービス維持が精一杯で、複合型に参入する余力が無い
⑵参入したとしても高リスク低リターン
①職員教育
②職員間格差
③通所サービスに入社した理由との相違による退職
上記2つの理由から、制度はあっても、参入する事業所はほとんどいない状況になると思います。
ですが、よほど余力ある所が参入して、「成功モデル」がもてはやされますが、全国に普及する事はないでしょう。
現実的に通所介護が行える訪問サービスは、送迎の時に+αで「見守り、電球交換」などの軽度の支援だと思います。
根本の原因は担い手不足
多様な担い手を確保し、地域で支え合う仕組みを推進しないと、問題はさらに深刻化します。
・9割以上の市町村には、そのような地域で支え合う仕組みを推進する「生活支援コーディネーター」が予算が割り当てられ配置されています
・物事の根本を目指すなら、今ある介護人材を雑巾のように絞ってしぼってこき使うような考えでなく、新しい担い手やサービスを創設する事から始める事をお勧めします。
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