生活支援コーディネーターの業務を何年も行っているけど、
・ボランティアの養成もできていない
・地域で支えあいの活動が始まる気配すらない
・帳面消しの協議体ばかり開催している
そのような状況が続いていると、あなたの心を貫通するくらい、キツイ言葉を投げかけられる事ってありませんか?
「何の結果も出せていないじゃない。この給料泥棒」
ガーン(´;ω;`)ウゥゥ
わかっているけど、他人からそう言われると、無力感に打ちのめされて「あ~あ、もう辞めたいなぁ」と思ってしまうのは仕方がないことだと思います。
生活支援コーディネーターが「給料泥棒」と陰口を言われないための、ゴール設定についてお話をしたいと思います。
動画解説
生活支援コーディネーターが結果を出すには時間がかかる
生活支援コーディネーターの業務は、職員が主となり活動を行う訳でなく、「住民等多様な主体」が活動を行うものです。
直接支援を行うのではなく、あくまでコーディネートを行うので、どうしても時間がかかります。
詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています↓
給料泥棒と言われないための「費用対効果の目安」を考える
まず、第二層生活支援コーディネーターへの活動費はどれくらいかかっているか知っていますか?
大体、1地区あたり400万円となっています。※委託の場合は事務経費など引かれた金額になります。
そこで、これまで6年間、あなたの市町村で第二層生活支援コーディネーターが10地区で活動を行った場合にかかる金額を計算してみると・・・
1地区400万円×10地区=4,000万円×6年=2億4,000万円
6年間で2億4,000万円かかっているのです。
「た、高すぎる・・・」
「そんな金額に見合った仕事が出来るはずがない・・・」
と思うかもしれませんが、きちんと金額に見合った仕事を行うことができます。
現実的な計算をしてみよう
生活支援コーディネーターの業務は、多様な主体が多様なサービスで支えあう地域づくりを推進するということですが、
一番の要は、生活支援の体制を維持すること。
逆を言えば、生活支援の体制が維持できなくなるから整備を行うという事になります。
それは、訪問介護(ヘルパー)の生活援助が、高齢化・人材不足の為に体制が維持できなくなるからです。
なので、まずは訪問介護(ヘルパー)を利用している方々の生活支援を、徐々に地域など多様な主体のサービスに移行するという事をゴールとして仮定します。
そうなると、ヘルパーを利用したら、どれくらいお金がかかっているのでしょうか?
ヘルパーの介護給付費を地域で担う時の費用対効果
ヘルパー週1回利用で介護給付費で、1人につき月1.2万円ほどかかっています。
年でいえば、14.4万円かかるという計算になります。
そこで、ヘルパーが行っているサービスを、地域のボランティアで担うとしたら、介護給付費が削減されますよね。
・100人利用⇒1,440万円/年
・200人利用⇒2,880万円/年
・300人利用⇒4,320万円/年
もしも、300人がボランティアを利用すれば、年4,320万円浮くことになります。
これで、年間の採算は取れますし、利益はさらに上乗せされ、これまでの借金を返済していくこともできます。
さらに、活動はもしも生活支援コーディネーターがいなくなったとしても、活動が継続すれば、リターンを得続ける事が出来ます。
また、サポーターの活動自体が介護予防となり、要介護リスクを軽減し介護給付費の抑制に繋がります。
そして、数として、認定率の低下など効果が表れてきていると思います。
このように、給料泥棒と言われないための費用対効果について、仮説を立て結果を出して、二度と給料泥棒だなんて暴言を吐かれないようにすることをお勧めします。
生活支援体制整備事業は、なかなか効果が見えづらい事業です。
だからこそ、生活支援コーディネーター側が仮説を立て、行政に提案を行い、根拠のあるなしを一緒に考えていくことが、給料泥棒と言われない秘訣になります。
ボランティア以外の多様な支えあいで更に後押しを
これまでは、ボランティアが生活支援を行うという事のみでしたが、支え合いって、一対一のボランティアだけではありませんよね?
・移動販売
・買物バス
・企業、NPO、他団体との連携事業
これらの取り組みを推進していけば、さらに費用対効果は増します。
また、これらの取り組みを実施する場合は、定期的に調査を実施し、効果検証の記録を持ち、私たち生活支援コーディネーターが、事業費以上の取り組みを行っている根拠を持つようにしましょう!
詳しいゴール設定を学びたいなら
今回は、費用対効果についてのゴール設定を主に解説しました。
ですが、そのほかのゴール設定について詳しく知りたい方は、過去の記事及び動画で解説していますので、参考にして頂ければと思います。
最後に
今回の記事や動画を、市町村担当者と共に見て、自身の市町村独自のゴール設定を行ってみてはいかがでしょうか?
ゴールが明確になると、人は真っすぐに全力で動き出せるものです。
私は、ひたむきに頑張る生活支援コーディネーターを応援しています!
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