私はかれこれ介護業界に足を踏み入れて、20年以上経過しました。
最近は、危機的状況だな、と感じることが多々あります。
今回は、「どのような時に介護・福祉業界は危機的だな・・・」と感じるのか、お話ししたいと思います。
動画解説
介護業界は危機的状況だと、3つの感じる時
それでは、介護業界は危機的状況だと、3つの感じる時をお伝えします。
①活気がない
10年ほど前までは、介護サービス事業所や、資格団体にそれぞれ「ボス」的な存在の方がいて、表面上は良好ですが、裏では利用者の取り合い、シェアの奪い合いで、バチバチッ!とした、見えない縄張り争いのような雰囲気がありました。
ですが、最近はボス的な存在の方が定年退職し、その次の世代の温和な責任者が「誰か助けて~」とわらをもすがる気持ちで、事業所同士で仲良くお互いの労をねぎらう雰囲気です。
仲良く平和は望んでいる所ですが、撤退戦の殿(しんがり)を任されている感があります。
②管理者・リーダーになりたくない人が多い
以前は、「俺は出世したい!独立してやる!!」など鼻息が荒い人がいたり、職場での責任者のポジション争いがあり、良い意味で切磋琢磨していた人も多くいた気がします。
ですが、最近は「責任あるポジションに就きたくない・・・」という方が多く、ババ抜きでババを引いた人がなくなく、責任者になってしまうパターンが多く感じます。
また、管理者にさせられた場合も、なぜか嫉妬されたり揚げ足をとられる事も多く、「管理者にはなるもんじゃないなぁ」とやる気を失う人も多い気がします。
➂どこもかしこも高齢化・人材不足
介護事業所の平均年齢が60代近くで、ここ数年新人社員が入らない事業所が多くあります。
ですが、退職者は年々増加。
年を重ねた人が現役でい続けてくれることは、有難いと思いますが、若い方がほとんどいない状況を見ると「年代的に事業継続できないよね」と将来の受け皿が目に見えてなくなることを体感し、暗い気持ちになります。
介護業界のみならず、成年後見の受け皿も同様です。
現在の仕組みや制度では限界なのは、否定することができない事実だと思います。
仕組みを変えるべく、要介護1・2の方を総合事業に移行しどうだけど、大丈夫?どうなるの?という疑問に回答した記事はこちら↓
今後はどうなるのか?
今後はどうなるのか、私の予測です。
・外国人労働者の受け入れを推進するが、うまくいかない。
その理由は、否定派もあり、推進が進まない事と、外国人労働者も、日本より稼げる国に行くので来ないので、うまくいかない。
※今から外国人労働者の確保や支援に力を入れている事業所は、上手くいくと思います。
・ICTの積極的推進しようとするも、腰をあげる人間が少なく、出来る所しか生き残らない。
現場のスタッフは、通常業務だけでもいっぱいいっぱいな状況なのに、専門性を深める、活動の幅を広げると、無茶ぶりともいえる国からの方針もあり、とてもICTの推進など考える余裕がありません。
また、事業所の管理者や代表なども、ICTに疎い人が多く「他の事業所がしていないから、うちもまだしないで大丈夫だよね」という感じで、積極的な推進は思うように進まないでしょう。
今後は、導入を行わないと減算などのペナルティがあるようにしないと、導入自体が難しいといえます。
・社会福祉連携法人も難しく、事業所の業務負担は変わらず人材不足で事業廃止
社会福祉連携法人を推進していますが、大規模法人は実質、自法人の業務負担が増え、ノウハウが他法人に流出するなどのリスクがあり、本音としては「強制的にやる制度にならないと、しない」という所ではないでしょうか?
また、小規模法人は、連携してもいいかな、とおもっていても、連携する方法を考える時間がない為に「とりあえず、今が何とかなっているから、何とかならなくなった時に考えよう」という状況ではないかと思います。
そうなれば、小規模事業所は経営の継続が難しく廃業し、大規模法人が、廃業した事業所のスタッフを雇い入れるという感じになる事が想定されます
このままの状況が進むとどうなる?
・コンパクトシティ化
介護事業所や支え合いもない地区の住民は、要介護状態になっても十分な医療・福祉を受ける事ができない、買い物すら行けないという状況となり、不安なく暮らし続けられる、コンパクトシティに移住が増えることが想定されます。
また、「どうしても移住は嫌じゃ!」という高齢者の方は、要支援レベルの時に適切なサービスを受ける事が出来ずに、要介護状態にまっしぐらになり、要介護状態へ。
そして、施設入所。
そのような流れになると思います。
この危機的状況を変えるには?
この危機的状況を変えるには、新しい思考を取り入れ、行動を起こす事しかありません。
目先の利益ばかりを優先したり、現状に甘んじて惰性で事業を行っていては、未来は暗いでしょう。
まずは、地域づくりを推進し、住民はもちろん、あなたの事業所も共に長く生き続けられるコミュニティづくりを行いましょう。
地域づくりを推進する生活支援コーディネーターの地域づくりの方法はこちらで解説↓
また、総合事業を柔軟な思考の下、どうやったら地域とWin-Winの関係で実施できるか、考えていく必要があります。
総合事業について参考になる記事はこちら↓
基準を緩和したサービス(訪問A)を実施するにあたり、養成が必要となる「生活援助従事者研修」の解説、導入方法はこちら↓
最後に
自分の未来を託せる地域を作るか、移住するかの二極化するのかもという不安があります。
ぜひ、今回の気を参考にして頂き、あなたの事業所が生き残れることを願っています。
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